2025.08.08 院長コラム
元気に生きるために:骨と心
おかげさまで当院も20年を迎えました。当初通院されていた40歳の方は60歳に、60歳の方は80歳に、診ている医者のほうも45歳から65歳になりました。
20年間一緒に年を取ってきて思うことは、患者さんも、私医者も、元気に暮らすためには、体の健康、心の健康が大切です。元気を維持するために必要な要素は2つです。
1)体の元気、特に骨:体が元気に動くためには、内臓も大事ですが、それにもまして筋肉と骨の維持が大切です。内臓のほうは当院で、また他院と協力してできうる限りの対処をしているつもりですが、それを支える骨については当院ではなかなか適切な対処ができていません。内科でできる骨の検査は非常に不正確です。ご存じのように特に女性の方は、閉経後から急速に骨粗鬆症が進む方が多いので、年に一度はお近くの整形外科で骨の検査を受けるようお勧めします。ご希望であれば、現在は診察なしで、受診して骨の検査だけ受けてすぐ帰宅できる方法もあります。ご相談ください。内臓が元気でも支える骨・筋肉が弱ったら、あるいは背骨や脚の骨折をしたら、当然動けなくなり、寝たきりが近くなります。動けなくなると内科の病気もどんどん増えます。特に女性は60歳ころからの検査が必要です。私のほうでも積極的にお勧めしてゆこうと思っています。
2)心の元気:体が元気でも、気持ちが落ち込んで閉じこもっていたり、毎日意欲がなく何もする気がしないのであれば、体がいくら強くても、健康な生活は送れません。うつだったり、神経症だったり、ストレスだったり、環境からくる疲れだったりするのですが、高齢者では体力低下に伴って気持ちも低下することもあるでしょう。本来メンタルクリニックの領域ですが、一応ご相談ください。これも当院で対処できる範囲では対処しますし、必要があれば専門家を紹介します。胃の痛みを放置してずっと我慢していたら胃がんで手遅れになっていた、なんていうことと同じで、精神的不調もずっと長期に我慢しすぎると、治るものも治らなくなります。しかもこのような症状の方はとても多いです。まずはご相談ください。
心の元気に関連して、認知症につきましてはまた別の画面でコメントします
特に今回強調したいのは骨と心の健康です
追記:女性は60歳台でも腰椎圧迫骨折は15%(6-7人に一人。80歳以上の男性の7倍)、大腿骨骨折も15%(80歳以上の男性と同じ程度)もあります。もちろん70歳以上になるとさらに増加します。早めの対処をしましょう。