2025.06.03 院長コラム
裸の医者が一番
当院に来る患者は、専門の循環器の患者、内科の患者、時には精神科、皮膚科、整形外科、眼科、その他いろいろな方が入り混じっています。それぞれの患者様はそれぞれの程度に一部心を開いてくれたり、一部閉ざしていたりします。少なくとも皆さん、隣人には話せないことを診察室で話されたり、相談されたりすることが少なくないわけです。例えば精神的不調のこと、家族の確執のこと、職場の人間関係のこと、お尻の話、便こと、尿の不調のこと、その他もしかすると恥ずかしいかもしれないさまざまなお話を伺います。すべてを解決できるわけではありませんが、少なくとも患者様は医者が厳密に守秘することと、真摯に受け止めて対処することを大前提に、お話ししてくれるわけです。これに対して、私はもちろん守秘義務や真摯な対応を心掛けているつもりです。また、医者が診察室で何にせよ嘘をつくことはすべての信頼関係を損なうことになります。ですから診察室では病状の説明はもちろんのこと、自身のことでも決して嘘はつくまいと考えています。よくあることですが、どこかに長期に遊びに行くときに、「学会に参加してきます」などと言う医者もいますが、嘘はよくない。こんなつまらないことでも、患者の信頼関係を裏切るような気がします。包み隠さず裸が一番、そう思っています。また、裸が一番強い(嘘をつく必要がないから)と考えています。