2020.11.14 院長コラム
変身
私はきわめて引っ込み思案な人間で、この私が医者という、皆さんとお話をしなければならない仕事が勤まっているのはまるで奇跡のようです。というのも、普段は引っ込み思案かつ内向的なのですが、診察室に入るとなぜか変身するのです。別人になるのです。それで何とかやってゆけているのです。いつから変身の術を身に着けたかは覚えていません。もちろん仮面ライダーに教わったわけでもウルトラマンに教わったわけでもありません。おそらく医療という仕事を積み重ねていくごとに自信が付いてきたからでしょう。それに、なんといっても患者様からうまくお話を引き出さないことには内科医は務まりませんので、必要に迫られて少しは発達したのでしょう。 その他色々問題点の多い医者ですが、私という医者をうまく使う方法を伝授いたします。 1)頼みごとに弱いので、何でも頼んでください。少しずうずうしいほうが良いかもしれません。2)そういえば診察室で変身するのは私だけではありませんね。患者さんも普段よりいい人に変身したり物分りの良い人に変身したりしますが、分からないことは分からないと表明したほうが良いです。分かるまで説明します。医者の立場で一生懸命説明したつもりが、患者さんは全く分かっていなかったことが現在も多々あり、私自身の説明力の未熟さを感じています。3)よく話を聞くために、あるいは日常生活をつかむためについつい時間がかかってしまい皆さんをお待たせすることがあります。定期的に通院されている方はいつでも予約できますので予約をどうぞ。予約された方はほぼ時間通りに診察いたします。 医者も色々なキャラクターがあり、人付き合いが苦手な人は病理や薬理学、解剖学など基本的な学問の研究者になるのだろうと私は思っていましたが、今までの付き合いで見ると全くそうではありません。むしろ研究者のほうが明るく元気な人格であったりします。私はある意味で引っ込み思案でよかったかと思っています。自分を強く主張する方はやはり人の話を聞くのが苦手のようですし、我々の仕事の半分は人の話を聞くことだと思いますので。 |
2009年12月30日 |